yasudayasuya’s blog

詩や歌詞を書いています

冬のお別れ

お別れの言葉なんて

どこか嘘っぽくて

乾いた言葉の羅列が

こぼれ落ちて行った

 


この部屋に残っていた

君の匂いもだんだん薄くなって

日常だったあれこれも

溶け出していってしまう

 


ありふれた生活に戻っただけと

言い聞かせている自分が

少しおかしくて

 


君がいた毎日は木枯らしになって吹き抜けた

不意に寂しくなった

冬の香りがした

あした朝早くに僕もここを出てゆく

思い出はどこまでも

きれいなまま

 


くたびれたスニーカーで

並んで歩いた

川沿いの散歩道は

今も変わらない

 


この街に残っている

君の幻もだんだん薄くなって

当たり前の日々の中に

埋もれていってしまう

 


テレビから大雪のニュースが流れると

寒がりだった君のことが

少し気になるよ

 


寒そうに手を擦りながら君は誰かを待ってる

叶うならその誰かに

なりたかった

 


行く当てのない想いは

雪だるまのように膨らんで

暖かな日差しが溶かす日まで

そのままにしておいて

 


君と過ごした部屋にありがとうと呟いたら

不意に寂しくなった

冬の香りがした

あした朝早くに僕もここを出てゆく

思い出はどこまでも

きれいなまま