yasudayasuya’s blog

詩や歌詞を書いています

雨と夜ふかし

カーテンの奥から染み出した夜が 部屋の中に漂っている グラスに落ちてきたそれを一息に飲み干せば 身体が夜に馴染んでいく 水の底を泳ぐように息を止めて 毎日を進んできた 少しのお別れをする様に大きく息継ぎをして 週末が始まっていく 大人たちは夜に紛…

憂き世

溢れた水は戻らなくて どうしようもないことばかりだね 仕方がないと言い聞かせて 流され流され生きている 転ばぬように気にしすぎて 姿勢もだんだん悪くなった 丸まった背中の後ろから ビル風が強く肩を叩く 忘れたい思い出ばかり 大体ちゃんと覚えていて …

旅鴉

外はまだまだ凍てついていて 吐息は白く蒸気を上げた 春はまだかと問いかけるのは 県道沿いの桜の並木 3番ホームの特急列車 飛び乗って街を出て行こう 北風にも少し飽きてしまって 流れる雲を追いかけに 流れ流れてどこへ向かう 行く当てもない旅鴉 いつもの…

雨宿り

冷たい雨が降ってきて 乾いた街が潤った 遊歩道には水溜り 行き交う人が弾いてる 少し足速になりながら それぞれの営みを行く 傘が鮮やかに花開き 濡れた街を彩った 喫茶店のガラス越し 火傷しそうに熱いコーヒー 少しずつ飲みながら じっとそれを眺めている…

冬のお別れ

お別れの言葉なんて どこか嘘っぽくて 乾いた言葉の羅列が こぼれ落ちて行った この部屋に残っていた 君の匂いもだんだん薄くなって 日常だったあれこれも 溶け出していってしまう ありふれた生活に戻っただけと 言い聞かせている自分が 少しおかしくて 君が…